本号の特集は、第一研究部門「部落史の調査研究」の「大阪における皮多村生活史研究会」における、この間の調査研究の成果をまとめたものである。
『部落解放研究』210号(2019年3月)の特集「宗門改帳研究会の研究成果」に継ぐ内容であり、あわせて参照してほしい。なお、本研究会は、第二期として2023年度以降も調査研究を継続する予定である。
その他に、2021年度(4月、11 月)に開催した第一研究部門の公開講座の報告内容にもとづく投稿論文2本と、書評1本を掲載した。

特集
大阪における皮多村生活史研究会の研究成果

【論文】
江戸中期から後期までの河内国石川郡新堂村領冨田村の暮らし
ー宗門改帳·名寄帳の分析を中心として一
西岡武義

河内国石川郡新堂村領冨田村における死牛馬取得の実態
—天和三年から文久二年までの死牛馬取得記録を手掛かりに一
寺木伸明

近世中後期における河内国石川郡新堂村内冨田村の五軒の家族ヒストリー
田村賢一

近世真宗門徒による差別法話への抗議について
一本願寺教団の対応をめぐって一
藤原有和

河内国石川郡における心中
玉城幸男

享保年間から安永年間の冨田村村内の状況を見る
一『古書物改覚日記』・『河州石川郡新堂村枝鄕冨田村出入』から一
横山芳子

【史料紹介】
『弘化三年正月 大宝恵』
『安永四年六月 古書物改覚日記』

【論文】
古代における馬の革作りの復元と馬の原皮供給の考察
永瀬康博

高度成長期の被差別部落
ー「同和対策審議会調査部会総会報告書」から見えるもの一
金井宏司

【書評】
『感染症と部落問題一近代都市のコレラ対策』(関儀久著)
藤野豊